「よかった探し」と「感謝メガネ」

 

1986年の放送ですから、すでに私が成人した後に制作されたアニメだったのですね。(なんとなく記憶違いをしていました。)

毎週日曜午後7時半から放送の「ハウス世界名作劇場」『愛少女ポリアンナ物語』のことです。

主人公のポリアンナが貧しさや不幸に負けずにがんばっていくという物語で、どれだけ苦しい状況でも、牧師である父親の遺言の「よかった探し」をする少女ポリアンナが印象的なアニメでした。

ただし、この「よかった探し」は、物事の良い面だけを見ることにもなりかねず、負の側面から目をそらして現実逃避に陥る、いわゆる「ポリアンナ症候群」という言葉も生み出してしまいました。

「そんなことより、生きているだけで幸せです。」というのは、ポジティブ思考でもなんでもなく、ただの現実逃避です。結局、目の前の問題は解決されずに放置されたままです。

同じポジティブ思考でも、「感謝メガネ」はいかがでしょうか。「よかった探し」ではなく、「感謝できることを見つける」ものです。

良いポジティブ思考は、未来志向だと言います。厳しい現実にあって、一筋の希望の光を見出していくものです。

「少しずつ頑張っていけば、自分は成長しているはず。前進できることに感謝だ。」

「感謝メガネ」は、同じポジティブ思考でも、似て非なるものです。

先日紹介した野沢直子さんの「老いてきたけど、まぁ~いっか。」にこんな一節がありました。とても素敵な文章だと思いました。

「(略)何かにやたら感謝して、むやみにありがとうありがとうと言いたくなり、夕日がきれいだと「今日もありがとう」と一人でつぶやいてみるというおかしな感情も生まれた。いや、ありがとう、と言ったところで何に対しての『ありがとう』なんだか自分でもわかってないのだけれど、とにかく言ってみたくなるのだ。 『感謝、感謝』とかやたらと言う人なんて、何かの新興宗教にでもハマっている人っぽくて胡散臭いと思っていたのに、何故かそんなことを言ってみたくなる境地に達している。」

感謝メガネをかけて生活している人は、きっと幸せ度が高いと思うのです。

 

https://youtu.be/ns8HVMti7V4