このブログでは今までたくさんの名言や禅語を紹介してきたのですが、この言葉もとっくに紹介していたものだと思い込んでいました。ところが、まだだったのですね。
武者小路実篤の有名な言葉です。
天与の花を咲かす喜び
共に咲く喜び
人見るもよし
人見ざるもよし
我は咲くなり
特に後半の「人見るもよし 人見ざるもよし 我は咲くなり」に、どれだけ多くの人が励まされてきたことでしょう。
人間の目に触れないところで咲いている花の譬えは、勝手にひっそり感をイメージしてしまいがちです。花に「けなげさ」を押し付けて、観察者のマウントをとりたがっているのかのようです。
けれども、それは勝手な思い込みに過ぎなくて、自分自身の喜びとして精一杯の花を咲かせている姿は、唯一無二の「自分」の存在が際立つものです。誰かが自分を見ていても見ていなくても良いというその潔さは、勇猛な戦士の気概を思わせます。
とにかくこの言葉は、「咲くことが大切なのだ」と教えてくれます。
自分だけが咲かすことのできる天与の花を、美しく咲かせていこうという決意表明ですね。
そのためには、自分自身に対する誇りと愛情がなくてはなりません。