水分補給は脳を活性化する

 

脱水になると意識が朦朧とするものですし、脳のはたらきにも影響を与えてきます。

過度な脱水は熱中症の危険があるだけでなく、集中力が低下し、思わぬミスを招くことがあります。

人間の体のおよそ60%は水分で、そのうち1%が失われるだけで、まともな判断ができなくなると言われていて、体重60Kgなら約400mlの水分に相当します。

人間の体は不感蒸泄などを含めると1時間で約100mlの水分が失われていくと言われていますから、その分の補給は最低限のノルマとなります。約4時間も水分補給しなければ、頭がぼーっとしてくるのも無理はないことなのですね。

逆に、水分補給をすることは、脳が活性化するということも知られています。

2013年に、イギリスの研究者が「知的作業に取りかかる前に水を500mL飲むと、作業効率がアップする」という報告をしました。

この報告自体は魅力的であるのですが、おそらく「水を500mlも飲めないぞ」という声が多かったのでしょう。2017年に同じ研究者がこんな研究報告を発表しています。

 

Dose-response effects of water supplementation on cognitive performance and mood in children and adults. Edmonds CJ, Crosbie L, Fatima F, Hussain M, Jacob N, Gardner M. Appetite. 2017 Jan 1;108:464-470. .

タイトルは「子供と大人の認知能力と気分に対する水分補給の用量反応効果」

 

96人の大学生を対象に、「どのくらいの量の水を飲むと、認知機能が上がるのか」を比較検証したものです。

300mLの水を飲んだ場合

25mLの水飲んだ場合

何も飲まなかった場合

結果は、300mL飲んだ場合も、25mL飲んだ場合も認知機能テストの成績が良かったそうです。

25mLの水を飲むだけでも脳の活性化がみられたのは、良いですね。

これからは、デスクワークや勉強をする前にも「水分を摂りましょう」と呼びかける根拠になります。