電子書籍と紙の本

 

ちょっと前まで電子書籍か紙の本かで悩んでいた時期がありました。

最近は割り切って考えられるようになっています。

基本的に新しもの好きですし、1990年代のPDA(シャープのザウルスやPalm OSなど)全盛を経験しているので、すんなり電子書籍に飛びつくかと思ったら、そうでもありませんでした。

教科書にマーカーを引いたり余白に書き込みができないと欲求不満が募るように、パラパラとめくる動作ができないと、頸椎シーネで固定されたまま細道を探りながら歩いている感覚になるのです。(わかりにくい例えですみません。不自由だということを言いたかっただけです。)

けれども、電子書籍のメリットはあります。

まず、枕元で読もうとすれば読書灯の調達をしなくてすみます。画面のバックライトをうんと暗くしないと健康に悪そうですが、まあいちいち枕元に照明を持ち込まなくてすみます。

それから最大のメリットは、文字サイズを調整できることです。小さい文字でうんざりしている時も見やすいサイズにカスタマイズすることができます。恐らく私たち年代の一番のメリットと言えるでしょう。

あとは書店に行かなくても購入したらすぐに読めること。深夜に思いついて、突然に読みたくなっても、購入してダウンロードすればすぐに読むことができます。

ほかには、かさばらないこと。何巻も続いているようなコミックは読み終わったあとの置き場所に困るのが常です。本棚もいっぱいでどこにしまおうかと悩みますし、かといって好きなマンガなので手放すのも早計のような気がします。読み返したくなった時、きっと後悔することがわかっているからです。

で、最近の私の電子書籍と紙の本とのつきあい方は、自然とこうなりました。

まず、コミックは電子書籍で購入するようになりました。理由は上の通りで保管場所の心配をしなくてすむからです。

それから小説は、最初は電子書籍で探りを入れてみます。

それで面白くて気に入った本は、紙の本でも読みたいのでそろえます。

電子書籍にするか紙の本にするかと時間を割くよりも、私にとってこの方が実際的でした。

そういうわけで、「プロジェクト・ヘイル・メアリー」は電子書籍も紙の本でも購入しました。

そういえば、紙の本の最大のメリットは、周りの人と回し読みできるということですね。回し読みできないのは、電子書籍のデメリットでもあります。