自分を見つめる

 

今日は法句経(ダンマパダ)から。(中村元訳)

 

347 愛欲になずんでいる人々は、激流に押し流される、―蜘蛛がみずから作った網にしたがって行くようなものである。思慮ある人々はこれをも断ち切って、顧みることなく、すべての苦悩をすてて、歩んで行く。

 

この偈は「超訳ブッダの言葉」(小池龍之介著)には、こう解釈されています。

 

自分だけが脳内快楽を味わいたくて

「私のこと、ちゃんと理解してほしい」

「もっとちゃんと見てほしい」

「もっとちゃんと評価してほしい」

「もっとちゃんと愛してほしい」

と、わがままな欲望思考に君が洗脳されてしまうなら、まるで蜘蛛が自分の糸にからまるように、自分の渇愛の糸にからまり、その苦しさに窒息してしまうだろう。

 

君が智慧を武器にしてこの蜘蛛の巣を断ち切ったなら、苦しみを捨てて悠々と歩いてゆける。

 

 

仏教は「未熟な悪い行為をすれば、必ず苦しむ」と教えています。

その苦しみは、五蘊(身体・感覚・想起・意志・認識)に執着することから、生まれます。

そして「真の幸せは、欲(渇愛)を根絶することのみで得られる」を基本にしています。

そのために、自分の心の中に「もっと~してほしい」という欲の心が出ていないか、観察してみることが大切です。