昔話「くらげのお使い」

 

今日は児童文学者の楠山正雄の作品を紹介します。

「くらげのお使い」

青空文庫で全文を読むことができますので、リンクを貼っておきますね。

以下、あらすじです。

 

竜宮の妃の病気を治すために猿の生き肝(いきぎも)を取ってくるように言われたくらげが、猿をだまして連れてくるまでは良かったが、途中で生き肝が目的であることをしゃべってしまう。猿は「生き肝は島の木の枝に干したままだ」とくらげを引き返させて逃げる。怒った竜王は海の生き物たちに打ち据えるように命じたため、くらげは目も鼻もない、骨なしの生き物になってしまった。

 

同じ内容の説話が古代インドの「パンチャタントラ」にもあるそうで、それが海を越えて日本に渡ってきたのだそうです。

生き物の生態の由来を説明する昔話は時々見かけますが、残酷な顛末に少し言葉を失ってしまうことがあります。

けれども、昔の人にとって目鼻がなく骨もないくらげを、こんなお話をひねり出すしか説明しようがなかったのかも知れませんね。

 

Aurelia aurita 001