世の中にはたくさんの「上手」がいます。
「あやまり上手」「おだて上手」「断り上手」「叱り上手」など…。
ボーイスカウトの団委員をしていた頃は「叱り上手」に憧れたものでした。引率役になった時は、うまくまとめられるかと結構なプレッシャーを感じたものです。
大声を張り上げたって子ども達が従うわけがありません。危ないことをしたり、和を乱すことがあれば、きちんと叱る必要があります。
それを見事にこなす先輩たちの所作を観察してわかったことは、結局、スカウト達に対する愛情と敬意と責任が全てなのだとわかって、私自身背伸びをしなくなったら、楽になりました。
「叱り上手」はテクニックなどではなく、その人のことをどれだけ思っているかによるのだと思います。
ところで、「断り上手」は今でも憧れます。うまくさわやかに断れないことが多いからです。
「断り上手」の人に尋ねたら、やはりコツがあるのですね。
「断る時に、なぜ断るのかその理由を相手にわかってもらおうとする人が多いけど。それはダメ。断ることって、「通告」だからね。わかってもらおうなんて思わない、諦めてもらうことが大事」
気まずくない?と尋ねたら、「そもそも断るのに、相手に気に入られようとするな、だよ。気持ちよいわけないし、かなり気まずい」との答えでした。
しつこく説得すればなんとかなるかも知れないと相手に思わせないことが大事なのだそうです。
大人になると「断り上手」の心得も大切になってくる…と、時々思います。
