曲順のこだわり

 

今の世の中、音楽はサブスクで聞く時代のようです。ですから、音源はスマホにダウンロードされたものがほとんどですし、若い人たちはCDプレイヤーを持っていなくても不自由さを感じないようです。

そういう私も、CDの音源はPCでMP3データに変換してスマホに移して聞くのが普通になってしまいました。

 

昔は、オーディオシステムを構築することを趣味とする大人がたくさんいました。

スピーカーなども手作りで、お気に入りのレコードを最高の音で観賞するのが至上の喜びとされていました。

若い頃は、そんな大人にかすかな憧れもあったのですが、私にはそこまでの情熱は湧いてこなくて、趣味にすることはありませんでした。

さて、今の時代に普通にあってレコードの時代にはほとんどなかったことに「シャッフル」機能があります。

レコードは1曲目に針を落とすと、途中で針をとらない限り、最後の曲まで聞かせてくれます。

アルバムにコンセンサスがあり、曲順にも意図を含ませていたとしたら、その方が忠実なのでしょうね。

例えば、ビートルズの「アビーロード」

6曲目に「I Want You (She’s So Heavy)」という曲があります。ジョンの名曲には違いないのですが、エンディングのホワイトノイズや演奏の途中で音が途切れて曲が終わったり、なんだか気持ちが落ち着かない曲です。(正直な感想を言えば怖いぐらいです)

その後に、ジョージの「Here Comes The Sun」が続きます。この曲の晴れやかなギターの音色にかなり救われた気分になるのです。

正確には、レコードのA面の最後が「I Want You (She’s So Heavy)」で、B面の1曲目が「Here Comes The Sun」ですが、その辺の起伏も計算されたものだったのでしょう。

そう言えば、A面やB面という言葉も、今や死語なのでしょうね。

今だにアナログの音源を追い求めるマニアがいるのも、わかる気がします。