映画「アルゴ探検隊の大冒険」

 

ギリシャ神話を題材とした「ファンタジー」は、オリンポスの神々など超自然的存在や生命体などといった不可思議さはもちろん、その舞台設定や物語の魅力が満載です。

ただし、ギリシャ神話そのものが伝承文学あるいは空想物語として完成されていますから、安易にそれを題材にしてしまうと、逆に安っぽくなってしまうという弊害もあります。

安易に手を出すなかれ、出すならそれ相応の覚悟を示せ、という感じです。

その点、この映画はファンタジーの傑作として長い年月ずっと評価され、愛されてきた映画ですから、すでに殿堂入りの感があります。

先日、何も考えずにただ楽しめる映画を観たいと思って、サムネが目についたので観ました。

「アルゴ探検隊の大冒険」(1963年)

特撮の巨匠レイ・ハリーハウゼンの代表作です。今の今まで監督だと思っていたのですが、制作の方に名前がありました。

ハリーハウゼンのストップモーション・アニメーションが光ります。

とても59年前の映画とは思えないほどの緻密さです。

ギリシャ神話に登場するクリーチャーたち、青銅の巨人タロス、七首の竜ヒドラ、怪鳥ハーピー…。そして、7体の骸骨剣士と3人の男の剣劇は、一瞬も目がはなせません。どうやって撮影したんだろうとただ嘆息の連続です。

とにかく、面白いの一言です。

 

あらすじです。

アリスト王の子ジェーソンは、20年前王位を奪ったペリアスを、彼が親の仇とは知らずに激流で救った。そして、幸福をもたらすといわれる黄金の羊の毛皮を求めて旅立つ。その旅には屈強の若者を伴ったが、悪人ペリアスの子アカスタスも加わっていた。様々の妨害や妖怪と戦い、それをうち破ってジェーソンは旅を続ける。航海を続けるうち、コルキスの王女メディアを救った。コルキスの王はジェーソン一行を歓迎して宴を催すが、アカスタスの奸計で死刑を宣告した。メディアは、愛しはじめていたジェーソンと一行を救い、黄金の羊の毛皮のありかを教えた。それを守る7頭の巨竜をも倒して宝を手にしたものの、コルキスの王の逆鱗にふれ、壮絶な死闘を展開、部下達は惨殺されたが、ジェーソンだけは危うく逃れた。そしてメディアとともに黄金の毛皮を擁し、帰国の途についたのだった。