映画「ザ・ビートルズ:Get Back」

映画『ザ・ビートルズ:Get Back』目当てに、ディズニープラスに登録したというお話を以前にしました。

ディズニープラスとしてもしっかりとした戦略があってのことでしょうが、私もそれを承知のうえの登録です。

おかげで何度も繰り返し見ることができますし、やはり映像から伝わってくる情報はほかのメディアと比較しても数段の豊富さがあります。

ビートルズ研究家が執筆してきた、いわゆる「解説本」が巷に溢れていますが、これらが解説してきた事柄が、大きくは間違っていなかったということも確認できました。

しかし、やはり映像は表情を伝えてくれますし、同じ言葉でも文字からは伝わってこないニュアンスの違いというのがあります。

Part 1では、トゥイッケナム・スタジオに集まったビートルズのメンバーが、プレッシャーを受けながら、イライラが募り、ついにはジョージ・ハリスンが「やめる」と言い放ったところで終わります。

何も知らない私は、トゥイッケナム・スタジオこそが彼らにとって地相が悪いというか、相性が悪い場所なんじゃないかと思ってしまうほどでした。

しかし、ビートルズの最初の2つの長編映画(「ハードデイズナイト」(1964)と「ヘルプ!」(1965))はトゥイッケナムで撮られたものですし、このゲットバック・セッションのきっかけとなった「ヘイジュード」のPVを撮影したのもこのスタジオでした。

(ちなみに、世界初の全世界同時衛星中継で放送された「All You Need Is Love」は、アビィロードのスタジオ1からです。)

場所が悪いと思いたくなったのは、Part 2からアップル・スタジオに移り、セッションを再開することになって、4人がそれまでと打って変わって活き活きと楽しそうに演奏しているからなのです。

「雨降って地固まる」をそのまま絵にしたような情景が続きます。延々と続くセッションは、ファンでなければ少し退屈かも知れません。

そして、いよいよPart 3ではクライマックスに「ルーフトップ・コンサート」を据えています。

もう何度見直したかわかりません。いつ見ても新しい発見があります。