外来では、外の社会を映す一番の鏡は、患者さんです。
具体的でわかりやすいのが、外の天気。
私は1日中診察室の中にいるので、外の天気はほとんどわからないで過ごしています。下手をすると外が寒いのか暑いのかもわからないことがあります。
診察室で患者さんの髪の毛にわずかに雨滴がついていたり、着ている服装でヒントを得ることが多いです。
そして、不安なムード。社会全体の雰囲気は、診察室で語られる言葉に共通項として表れます。
「先生、また増えてきたね」「どうなるのかね」
毎日、新型コロナ陽性者数が発表されるたびに、ため息とともに不安な声が漏れ出てしまいます。
ウイズ・コロナの時期が想定以上に長期化する予感と、その展望に光明が見えないことが、余計に不安を募らせるものです。
一時はSARSやMARSの時のような急速な収束を夢見ていましたが、それはもはや現実的なシナリオではないことがわかりました。
「毒性が低ければ、かぜと同じように扱われる日がくるかも知れない」
現時点では、コロナの収束とは、そんな日が来る望みにすがるしかないようにも思います。
今日からクリニックの新年の外来が始まりました。残念ながら、不安な声で始まった外来となりました。