谷川俊太郎さんの「うそとほんと」という詩があります。
うそとほんと
谷川俊太郎
うそはほんとによく似てる
ほんとはうそによく似てる
うそとほんとは
双生児
うそはほんととよくまざる
ほんとはうそとよくまざる
うそとほんとは
化合物
うその中にうそを探すな
ほんとの中にうそを探せ
ほんとの中にほんとを探すな
うその中にほんとを探せ
谷川俊太郎さんが自らおっしゃっているように、大人になってからは(嘘とは言わないまでも)自分をごまかすことを徐々に覚えるようになってきました。
大人になってからのうそとほんとは、正しいことと悪いことの判断で単純に割り切れるものではなくなってきます。
対極の価値観が入り乱れ、ごちゃごちゃに混じって、自分のほんとがわからないことも多いものです。
そして、他人を傷つけたくないばかりのうそも、たくさんつくようになってきました。
仕方がないよねと自分をごまかしながら、なんとかやっていくのが大人の日常です。
ただし、虚勢をはるだけのうそは、つきたくないと願っています。