「ここで跳べ!」

 

イソップ物語に「ほら吹き男」という寓話があります。

こんなお話です。

  

ある男が誰も行ったことのない遠いところに行って帰ってきました。そして、そこの村人たちに自慢話をはじめました。

「そこではね、男たちはみんな上手にジャンプができるんだ。ある日、誰が一番上手にジャンプできるか見てみようということになった。そこで、オレもやってみたのさ。オレが1番だったよ。オレはジャンプの名人なんだぜ。みんなもそのときそこにいたら、オレがどんなにうまいか見られたのになあ。」

するとある村人がこう言いました。

「君がジャンプするのを見るのに、はるばるそんなところまで行かなくてもいいだろう。ここで、どんなにうまくできるか見せられるじゃないか。さあ、跳んでごらん!」

 

「ここで跳ばねば、どこで跳ぶ?」ということですね。口だけの人間はすぐに底が知れるとも読み取れます。

これは哲学者ヘーゲルが引用した寓話としても有名で、「ここがロドス島だ。ここで跳べ!」という言葉で広く知られているようです。

ありもしない妄想をくどくど述べるよりも、今ある現実に真摯に取り組むべし!と叱咤する意味合いが強いようにも思います。