「入浴熱中症」

 

日本医師会が発行している日医ニュース「健康ぷらざ」では、健康に暮らすためのヒントが紹介されています。

最新コンテンツには「入浴中の事故―ヒートショックと入浴熱中症」が掲載されていました。

興味深い内容だったので、紹介しますね。下の図にリンクを貼っておきます。

千葉科学大学教授の黒木尚長先生の指導による記事です。

元となる論文をネットで読むことができます。こちら→「入浴事故の危機管理:なぜ、入浴事故が起こっているのか」

抄録を要約して引用します。

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入浴中の急死は高齢者で大変多く、ヒートショックが原因であると思い込まれている。しかし、ヒートショックととらえられる症状は7%で、84%が熱中症の症状であった。

 42℃以上の湯での30分以上の全身浴では、体温が3℃上昇する。そのため、誰もがⅢ度(重症)熱中症になり意識障害を生じることとなる。

その後も体温上昇が続くと、細胞崩壊による高カリウム血症により心室細動が生じ急死する。

このメカニズムにより、浴槽内での急死のほとんど、高齢者の入浴中の事故の大半は熱中症で説明できる。

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私も入浴中の事故はヒートショックが原因だと思っていました。「入浴熱中症」という言葉も初めて聞いたぐらいです。

常識だと思われていたことを改めて掘り起こし、新たな知見に至ったのは素晴らしいことですね。