私が好きな小咄をひとつ。
鳥目とは、夜などに暗いと見えにくくなる視力障害のことをいいます。
鳥目
「このごろは鳥目で困るのだが、夜、目の見える薬はないか」
「それならフクロウの目を黒焼きにして飲むとよい」
そう聞いて、さっそくこしらえて飲んだならば、昼のようにはるか遠くまで見えるようになった。
「これはよい」
とても満足したが、夜が明けると真っ暗になった。
物事は一長一短であることが多いです。そして、その一長一短でうまくバランスをとった状態だったりします。
この小咄の主人公はまさしくフクロウの目のように夜目が利くようになったのですが、昼間のフクロウがそうであるように、明るいところで活動するには不向きな目になってしまいました。
達観せよとまでは言いませんが、ある程度の「明らめ」は必要です。
「まあまあ」ぐらいがちょうど良かったりします。