心理的フォース

私にとってSNSとは、ネット世界とつながるものではあるものの、そのつながりは極めて希薄で、空き時間にチラ見するぐらいのつきあい方です。

LINEニュースのトップページにあがっている話題について「なんでこんなのがニュースになるんだ?」と毎回思っている方ですし、その乖離のおかげ(?)もあって、私にとってのネット世界とはまだ「世間」「社会」とイコールではないという認識があります。少なくとも「私の周り」とネット世界は同一のものとは思えません。

私のSNSとの距離感というのはだいたいそんなもので、恐らく私が特別なのではなく、一般の中年男性と同じぐらいだと思っているのですが、さすがに今回のコロナワクチンに関しては、SNSについて考える機会が増えました。

今回、私が気になったのは「自分が選んだ情報を自分で受け取る」と主張している人が、実は「第三者が流した情報を無条件に受け取る」人と、結果的に変わらなかったことです。

自主的で能動的に「選択して得ていく」人と、最初から最後まで受け手でしかない人とは、全く違うように見えていて、実はこのネット世界ではとてもよく似ています。

ふと、私はマジック用語の「フォース」という言葉を思い出しました。(ジェダイのフォースとは全く違うものです。念のため)

「フォース」とは、観客に自由に選ばせたように見せて、演者の予定した特定のものを選ばせてしまうという技法です。いろいろ方法があり、代表的なものに「技巧的フォース」や「心理的フォース」などがあります。

自分で自由に選んだつもりが、そうなるように仕向けられているわけです。

私は、ネット世界にはその空間に「心理的フォース」が存在しているのだと思います。そして、さらに性質(たち)が悪いのは、無意識に自分が選んだ情報で自分を洗脳しているのではないかということです。