「十角館の殺人」

国内ミステリで「どんでん返し」と一緒に検索すれば、必ず上位にヒットする作品です。

「どんでん返し」に騙されたい!という人には、迷わずおススメします。

 

十角館の殺人 綾辻行人著

 

綾辻行人のデビュー作にして「館シリーズ」の第一作。「新本格」という分野の先駆けとなった名作ミステリです。

初版が1987年ですから、すでに34年が経っています。

ですからワープロが一般に普及していなかったり、今の時代とはやはり違うのですが、舞台が電気も通っていない孤島ということもあって違和感なく読めます。

この作品はおおまかにいえばクローズド・サークルもの。

クローズド・サークルというのは「嵐の孤島」「吹雪の山荘」「客船の中」「列車の中」のような外界と遮断された空間での事件をあつかうものです。

 

本の扉には、こんな紹介文が載っています。

十角形の奇妙な館が建つ孤島・角島を大学ミステリ研の7人が訪れた。館を建てた建築家・中村青司は、半年前に炎上した青屋敷で焼死したという。やがて学生たちを襲う連続殺人。ミステリ史上最大級の、驚愕の結末が読者を待ち受ける!

 

そして、本の帯には「“たった一行”が世界を変える」

その一行とは、第十章の最後の一行のこと。

ここで読者は「どんでん返し」の瞬間に出くわし、感嘆の声をあげることになります。

例えがわかりにくいかも知れませんが、アニメ「オッドタクシー」の最終回みたいな衝撃でした。

 

ミステリ好きでなくても、一度は読んでおいて損はない作品です。