「Twist And Shout」

今月のギター課題曲は(もちろんビートルズの)「Twist And Shout」

この曲は、デビューアルバム「プリーズ・プリーズ・ミー」に収録された、ジョンのシャウトがとにかく痺れる曲です。

ちなみに彼らはこのファースト・アルバムを1963年2月11日、たった1日でレコーディングしていて、この曲は文字通りその日最後の14曲目に録音されました。

その日、彼らの状態は決して万全ではなく、ジョンはひどい風邪をひいていて、声の調子が悪かったのだそうです。記録では、メンバーは紅茶とミルクとタバコ(⁉)、それからのど飴で長い1日を乗り切ったとされています。

「Twist And Shout」はジョンの声がつぶれる寸前に、「一発録り」に力を振り絞った曲で、その場にいた全員が感動する作品にしあがりました。(実際にはテイク2まで録音したが収録されているのはテイク1)

今、聞いても渾身の2分33秒です。

さて、私は長い間この曲がビートルズのオリジナル曲だと思い込んでいました。

オリジナルはアイズレー・ブラザーズが1962年に発表し、全米17位を記録したそうです。

ビートルズ版との最大の違いは間奏のアレンジです。アイズレー版では、トランペットとサックスでハーモニーを演奏しています。

ビートルズ版ではギターのイントロのあとジョンのボーカルのシャウトの入りが強烈で、ロックのイメージが強く、オリジナルを超えてしまっています。

間奏では、ジョンとジョージのギターがハモりを効かせていて、サックスのパートをポールがベースの音で弾いています。

ビートルズのオリジナル曲だと勘違いしてしまうのも無理はないと思うのです。

ところで、1日でレコーディングしたアルバム「プリーズ・プリーズ・ミー」は、ビートルズ自身のセカンド・アルバム「With The Beatles」にトップをゆずるまで連続30週間トップだったというのですから、常識を超えています。伝説になるわけです。