「『のんびりする日』を一日分用意しましたので、ご自由にお使いください」と言われたとします。
職場の上司からでも良いですし、あるいは家族からでも良いです。
よくドラマで「お母さん、今日は『母の日』だからお母さんの仕事は僕たちがやるよ」という光景が出てきますが、そんな感じです。
「のんびりする日」が一日あったら、自分は何をしようかな?と考えますね。
普段、時間がなくてできなかったあんなこと、遠すぎてなかなか行けなかったあの場所、自分自身のためにしたいことはたくさんあります。それをやろうとまず考えます。
しかし、マインドフルネスを広めたティク・ナット・ハンは、「のんびりする」とはそうではないと言っています。
例えば、瞑想をするときに師はこう言います。
「何かしたりしないで、そこに座りなさい」
師にとって「のんびりする日」は、一切何もしない日を意味します。断食が食事を断つように、「何かする」ことを断つのです。
いつも何かをしている状態が当たり前の私たちは、何もしないでいることを恐れないようにするための訓練が必要です。
ですから、「のんびりする日」は何もしないようにあらゆる努力を払わなければなりません。
ティク・ナット・ハンが提唱する「のんびりする日」で目指す境地とは「何もしないで、ただ存在するだけで慈しみと喜びに満たされている」境地です。
そんな「のんびりする日」を、試しに設けてみたいと思いますし、強く憧れます。