ノーベル文学賞

最近、ノーベル賞の話題がニュースに出ていました。

なかでも文学賞はアフリカ・タンザニア出身の作家、アブドゥルラザク・グルナ氏が選ばれました。

日本のコアな文学ファンでも、グルナ氏はノーマークだったというのが話題になるほどで、なにしろ和訳書がないということで、2017年のカズオ・イシグロ氏受賞時のようなフェアの開催は望めないようです。

以前から言われているように、日本は諸外国の無数の作品が集まり、しかも日本語で読むことができるという素晴らしい国ですが、実はこんなこともあるのかと驚きました。

グルナ氏とはどんな作家なのでしょう。すぐに訳本が出るでしょうから、今から楽しみにしたいと思います。

 

ところで、ノーベル賞で初のアジア人受賞者は文学賞で出ました。1913年に、インドの詩人タゴールが受賞したものです。

 

 

タゴールの詩は、内側から鼓舞されることが多く、理屈を抜きにして励まされます。

 

たとえば、次の詩。(タゴール詩集 山室静訳から)

 

 

もし彼らがお前のよびかけに応じなくても

 

もし彼らがお前の呼びかけに応じなくても、お前はひとりで歩いて行け

もし彼らが怖がって声なく壁の前に立ちすくむとしても

おお、運のわるい男よ

お前の胸をひらいてひとりで語るがいい

もし彼らが音を向けて、荒野を横ぎる時にお前を見捨てるとも

おお、運のわるい男よ

足の下に茨を踏みつけ、ひとりで血のしたたった道を旅して行け

 

夜が嵐でどよめいている時

もし彼らが光を高く掲げないとしても

おお、運のわるい男よ

苦悩の雷火でお前自身の胸に火を点じて

それをただ一つもえさせるがいい

 

 

私の心の片隅には「運のわるい男」に憧れているようなところがあります。

柄にもなく誇り高い気持ちに揺さぶられて。