あるビジネス書を軽く斜め読みしていたら、ひとつの言葉が目に止まりました。
「成功した時の、再現性のあるパターンを作る」
これは私の外来でも実感することです。
糖尿病や脂質異常症の方が、定期の採血で良い結果が出た時に「今月は取り組みが良かったようですね。どうしたのですか?」と訊くと、自分のことなのに「え…どうしたんだろう?」と首を傾げる方が割といます。
一方で、結果が悪い時は、返答はスムーズです。
「今月は食べすぎた」「運動ができなかった」「自分の時間がもてなかった」という「言い訳」を引き出しの中にたくさん詰め込んでいて、それらを次々に持ち出してきます。
しかし、それは本当の原因ではないかも知れません。一般的にそう言われているから信じているだけで、よく吟味をせずにパターンとして繰り返しているだけかも、です。
まさしく失敗した時の反省が形だけになっています。
だからこそ、成功したときはその原因を探った方が良いです。
再現性の有無を握る鍵は、結果が良かった時の「なぜ良かったのか?」という原因の探究と内省です。
「たまたま良かったのだ」としても、方向性は間違っていなかったわけですから、絶対にこれからの参考になるはずです。
「成功した時の、再現性のあるパターンを作る」
これは心がけておきたいですね。