「アランの幸福論」

フランスの哲学者アランは、その著書「幸福論」で今も愛され続けている人物です。

Wikipediaによると「アランの幸福論」は1925年(!)の発行ですから、いかに普遍的に読まれ続けているか、驚異的でさえあります。

「悲観主義は気分によるもので、楽観主義は意志によるものである」に代表されるように、アランは楽観主義だと言われます。そして、その思想は幸せを望む強い意志の上に築かれたものです。

「良い天気をつくり出すのも、嵐をつくり出すのもぼく自身なのだ」

あまりの楽観主義に批判も受けていたようです。

人間関係においてさえも「ぼくが信頼すれば、彼は誠実となる」

そんなアランの幸福論に凄みを感じるのは、この楽観主義は誓約を求めていることです。

「幸福になることを誓わねばならない」

誓約しなければ、人は幸福を放棄し、不幸をつくり出してしまうからです。

意志の力によって、幸福という現実を手に入れるのだ。「幸せにならねばならない。」

なんとも力強いメッセージです。受動的な要素は微塵もありません。

「期待を抱くこと。それはつまり幸福であるということなのだ。」