アニメ「ガンバの冒険」

 

日本のアニメ界のカリスマ的存在だった出﨑統監督。

監督の名前を知らなくても「あしたのジョー」や「宝島」「エースをねらえ!」「ルパン三世(第1作)」「元祖天才バカボン」「はじめ人間ギャートルズ」などなど、テレビアニメのタイトルはご存じでしょう。

そして、日本アニメの中で名作中の名作「ガンバの冒険」を手掛けた監督が出崎監督です。

 

このアニメは、斎藤惇夫著「冒険者たち ガンバと15ひきの仲間」を原作としています。

 

獰猛で殺戮を好む巨大な白イタチのノロイが支配する島のネズミたちを救うために、町ネズミのガンバをはじめとする7匹のネズミが知恵と勇気を出して支え合って戦いぬくストーリー。(原作では15匹がアニメでは7匹になっています)

 

全26話を通してのメイン・ストーリーがしっかりしていますし、7匹のネズミたちの個性が1話ごとに深みを増して、冒険と友情の要素が作品全体を彩っていきます。

 

画の表現としても秀逸で、まず目につくのが「海」の表現です。海=青という常識はありません。

海の色や海面の表情が、一時として同じではありません。夜明け、真昼、夕方、夜、曇天、晴天、そして嵐…。千差万別に変化する海の表現は、それだけでアートだと感じます。

 

「東京ムービー」制作(現在のトイス・エンタテインメント)のアニメで、55周年を迎えた記念ということでしょうか。

1~3話がYouTubeに公式であがっていました。

 

オープニングの「ガンバ ガンバ」というサンバのリズムと、エンディングの抒情的なバラードを聞くと、当時を思い出してゾクゾクしました。

 

「ガンバの冒険」が放映されたのが1975年。その前年には高畑勲監督の「アルプスの少女ハイジ」が放映されていました。

私としても幸せな時代でした。