防弾チョッキ

今日も池田晶子さんの言葉から紹介します。(「知ることより考えること」から)

 

みんながしているからといって、悪いことが善いことになる道理があるわけないではないか。

発覚しなければ悪いことは悪いことではないと思っているのも同じ理屈である。善いこと悪いことは、他人すなわち社会のルールにあるもので、自分の中にあるのではないと思っているのだ。しかし、自分の中にあるのでなければ、善悪なんてものがどこにある。

 

 

ヒトは、周囲の動向を見ながら自分たちの行動範囲を狭めたり広げたりするものです。

 

「みんながしているから大丈夫」というのは、社会を形成するヒトの本質に近いのでしょうが、今回ばかりは自分の中に問うてみなければなりません。

 

この時期の不要不急の外出は、どんな言い訳を並べても空虚なだけです。

 

デルタ株がやっかいなのは、今までの感染対策で「大丈夫だった」という成功体験を裏切る感染力を備えていることでしょう。

 

新型コロナウイルスが出現して1年半を過ぎて、今までのアルファ株ならばこの対策で良いだろうというサジ加減を我々は身につけてきました。

 

真面目に取り組んできたからこそ、アルファ株に関して、人々はある意味スペシャリストになれたと思います。

 

「ワクチンを接種しなくても大丈夫」という自信は、実際にアルファ株ではそうだったかも知れません。

 

「様子をみてから」とか「国産ワクチンが出るまで待つ」などと悠長に構えていても良かったのです。

 

デルタ株が流行している今、ワクチンなしで生活するのは命綱なしで高層ビル間の綱渡りをしているようなものです。

 

向こうのビルに無事に渡れるかも知れません。けれども、綱はずっと揺れていますし、突風が吹いてきます。

 

足を踏み外してしまった時に、「命綱をしていて助かった」と思うのか。

 

諏訪中央病院の玉井道裕先生は、ワクチンを防弾チョッキ(甲冑?)にたとえていました。

 

襲ってくるウイルスから身を守るイメージは、防弾チョッキの方が合っている気がします。

 

下の図は、玉井先生が描いたイラストです。

 

とてもわかりやすくまとめてくださっていますので、リンクを貼っておきますね。ぜひお読みください。

 

新型コロナウイルス感染をのりこえるための説明書(デルタ株編)