グリム童話「寿命」

グリム童話に「寿命」というお話があるそうです。

原典(もしくは完訳本)から紹介できれば良かったのですが、あいにくと持ちあわせていません。

ネットで「グリム童話 寿命」と検索すれば、たくさんヒットしますから、それをお読みくださればと思うのですが、サッと見る限り、おそらく元ネタはそう多くはないようです。

 

こちら→「福娘童話集 9月18日の世界の昔話」

 

要約すると、こんな感じです。

神様が天地を創造し、生きものの寿命を定めることになった。まずは、すべての生きものに30年をお与えになった。

ところがロバは、荷役に苦しむ生涯が30年も続くとは辛すぎる、もっと早く重労働から解放していただきたいと願い出た。そこで神さまは18年減らして12年の寿命とした。

犬は年老いてものを噛む歯もなくなり、ただうなっているだけでは辛すぎるというので12年減らして18年の寿命となった。

猿もまた老齢を嫌がり、10年減らして20年の寿命になった。

最後に人間が現れた。人間だけは30年では満足せず、もっと長い寿命をねだった。そこで神様は人間にロバ、犬、猿の余りの18年、12年、10年を与えてやった。

こうして人間は70年生きることになるが、最初の30年は人間の年を生きた。

次の18年はロバのように重荷に苦しみ、次の12年は犬のように隅っこに横になってうなるだけで過ごす。最後の10年は猿のように間抜けになり、子どもの笑いものになった。

童話は、たとえ話をうまく駆使して、真実をえぐり出しているところがあります。

それにしても、人の人生の最後は「猿」かあ。せめて愛嬌のある猿になりたいものです。