シューズを語る

 

村上春樹さんの「走ることについて語るときに僕の語ること」に新しいシューズを買ったくだりがあります。

「新しいミズノのランニング・シューズも買った。ケンブリッジの『シティー・スポーツ』で、いろんなメーカーのランニング・シューズを試し履きした結果、今練習で履いているのと同じミズノを選んだ。全体に軽量で、かかとのクッションはいくぶんハードだ。そして例によって、いかにも愛想のない履き心地だ。しかしこのメーカーのシューズには、妙な味付けがされていないぶん、自然な信頼感がもてる。もちろんこれは僕の個人的な感想に過ぎない。」

「個人的な感想」であろうとも、自分の選んだシューズについて語りたくなる気持ちはよく分ります。

私は学生の時から、走ると膝を痛めるを繰り返していて、痛みの原因を探るのにだいぶ時間を費やしてしまいました。

ベアフット(はだし感覚)シューズを経験して、足裏の重心の移動が、「かかと→外側→親指と人差し指の間」へと抜けていく時が、膝に負担がないことを体得してから、走れるようになりました。

私にとって良いランニング・シューズとは、当然ですが、足の痛みや故障を起こさないシューズです。

ですから、シューズもドロップ差のほとんどないものを選びますし、最近流行の厚底は絶対に膝を痛めてしまう自信があります。(と言っても人並みに興味はありますが)

村上春樹さんに影響された訳ではありませんが、最近、ミズノのシューズのワイドを手に入れました。

最近の発売ですが、厚底ではありません。

今までAltraというメーカーのゼロドロップのシューズを履いていたのですが、それに比べると地面の反発を受けて跳ねる感覚で走れています。

速い人からすると大したことのない記録ですが、それでもこのミズノのシューズを履くようになってから、10Kmの記録を3度更新しました。

家族に話したら、「おニューのシューズで、テンションあがったからじゃない?」と一蹴されてしまいましたが。

痛みがなくて、楽しくスピードに乗れるシューズなら、それだけで最高のシューズです。

 

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