「ねこ禅」

 

ネコについて語る時、だいたいの人はネコをヒトであるかのように扱います。

その時、ネコに重ねられたヒトの人格は、時にはまぬけキャラだったりもしますが、たいていは好意的にツンデレの人格をあてがっているようです。

おそらくそれを文学に昇華させたのが「吾輩は猫である」の夏目漱石で、考えてみれば、それ以降、日本人はネコに何かを語らせたがっている気もします。

例えば、ネコに人生論を重ねる時、まるで悟りを得た禅僧か哲学者の役がぴったりです。

電子書籍を眺めていたら、おすすめのリストにそんな本が載っていました。

 

 ねこ禅 人生がふニャっとなごむ50の教え 菅原 研州 (監修), 五十嵐健太 (写真)

 

ネコと禅。

ネコに「生き方」というのはちょっと違う気がするので「習性」が本当でしょうが、「今、ここ」ということに関して、ネコは禅についてのロールモデルにぴったりの存在です。

一つひとつの禅語が、ネコの写真(そのしぐさ)にしっくりくるのです。

そもそも禅にネコを重ねることの全ては人間の想像力の賜物でしかないのですが、意外に腑に落ちるのです。

「ネコのように生きる」というのは言い過ぎですね。でも「ネコを励みにする」というのは十分にアリだと思いました。