禅僧・澤木興道老師の言葉は、一見、乱暴に思えますが、実に素朴でいきいきとしています。
「何は無くとも、人間は生きているだけで本来尊い」
だから、何もかも「ただ」するだけで良いのだと教えてくれます。
とにかく、人はいろいろなことに煩悶し過ぎる傾向にあります。
次の言葉などは、このように生きられたらどんなに良いでしょう。
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なんにもならないことに価値がある
わたしらなるたけなんにもならんことに一つ骨を折ろうと思って、なんにもならんことばかりをやっている。
なんにもならんほど、これは網がおおきい。
なんぞなったときは、これは小さなものだ。
なんにもならんということは、途方もないことだ。
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とにかく「ただ」する。ただ働く。ただせねばならぬことをしているだけ。
例えが卑近で申し訳ないのですが、フルマラソンで30キロを過ぎたあたりの一歩一歩の足の運びに似ていると思いました。(ただ足を前に運ぶ)
老師がおっしゃった言葉は、すでに境地に達した人の言葉であって、私は想像するしかないのです。