密集を避けることとマラソン大会

 

東京マラソンをはじめとして全国各地のマラソン大会が、新型コロナウイルス感染症の対策として、規模を縮小した部分開催としたり、大会そのものを中止するなどをしています。

感染源の恐れがあるイベントは極力控えるべきです。

そうは言っても参加予定者の気持ちは主催者側も痛いほどよくわかっていることでしょうから、軽々しい決断ではないと想像します。

それほど社会全体が、新型コロナウイルス感染症について緊張感をもって取り組んでいるということです。

そのなかで、中止となったマラソンの中で、面白い試みをしている大会がありました。

名古屋シティマラソンのホームページ「名古屋シティマラソン2020に参加予定のランナーの皆さまへ」というメッセージの一部をそのまま転載しますね。

「日本国内で拡大の様相を見せるCOVID-19について、名古屋シティマラソンでは関係機関と協議を重ねながら対策の検討を重ねてきました。可能な限り安全・安心な大会運営を目指して準備を進めてきましたが、最近ではCOVID-19に感染経路が不明なケースも目立ちはじめました。同日開催の名古屋ウィメンズマラソンと合わせて約4万人が集まる本大会においては、ランナー及び来場者が密集する機会も多く、皆さまにご安心して大会に参加いただくことは困難であるという結論にいたりました。

このため、「名古屋シティマラソン2020」は内容を変更し、場所の制限がなくどこからでも参加できる「オンライン 名古屋シティマラソン」を実施いたします。「オンライン 名古屋シティマラソン」は、世界中どこの場所からも参加できます。完走したランナーにはオンライン版完走証を送ります。ぜひ、オンラインで名古屋シティマラソンを体感してください!」

文中のオンラインマラソンについての説明が以下です。

「専用スマートフォンアプリを使用し、実際の距離を走るマラソンイベント。場所を選ばずにどこからでも参加することができるので、密集することなく感染症のリスクを抑えることができます。世界各国から参加するランナーの環境を考え、開催期間・ルールなど実施詳細を検討しています。3月2日までに登録方法含め、詳細をご案内いたします。なお、今回実施するオンラインマラソンは、名古屋ウィメンズマラソン2020一般の部および名古屋シティマラソン2020にエントリーしたランナーのみが参加できます。」

こういう方法があるんだなあと素直に感心しました。

「そこまでして走るんかい」という方もいらっしゃるでしょうが、ランナーとは「そこまでして走る人たち」です。

だから時々哲学者然とした顔で「人はなぜ走るのか」などとのたまったりするのです。自分でもたまに走る理由がわからなくなってきますから(笑)。

密集を避ける方法があるのなら、他の分野(例えば学会など)でも、やり方を工夫しながら形を変えた開催があっても良いかも知れませんね。

 

 

(写真は第35回NAHAマラソン)