「怪獣使いと少年」

 

脚本家である上原正三さんが亡くなられたという報道があったのは、今年1月初旬でした。

 

ウルトラマン生みの親である金城哲夫さんの盟友であり、特に「帰ってきたウルトラマン」ではメインライターを務められていました。

第33話「怪獣使いと少年」は、今でも時々ネットで取り上げられるほど、マイノリティに対する人間の差別意識をテーマにした問題作です。

上原さんは、謝名親方の子孫であることを誇りにし、沖縄人としてのアイデンティティを大切にした方でした。

 

今も脈々と続く「戦隊シリーズ」の第一作目である「秘密戦隊ゴレンジャー」を手がけ、ヒットさせたのも上原さんでした。

ウルトラマンに比較して、これも沖縄人のもつ明るく陽気な性質を投影したものだと思います。

ヒーローたちがカレーを食べ、ギャグを言い、コミカルな怪人たちがダンスを踊ったりします。

変身したあとに一人ひとりが名乗りをあげ、勢ぞろいしたところで「5人そろって、ゴレンジャー!」という決めポーズは歌舞伎の「白浪五人男」を参考にしたというのも有名な話です。

それが令和の時代になっても、同じフォーマットで作られていますから、すごいことです。

 

上原さんが手がけた作品群の、この二面性は、私たち沖縄人の姿そのものだとも言えます。

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こちら→ 特別公開「帰ってきたウルトラマン」第33話「怪獣使いと少年」