2020年版の「このミステリがすごい!」の1位の作品ということで読みました。
表紙の様子やページをパラパラとめくった印象がラノベっぽかったですし、おそらく「このミス」が押していなければ、読むことはなかったかも知れません。
そういう意味でも、ランキング本は私にとっていつも良い働きをしてくれています。
サイトから引用した内容紹介です。
推理作家として難事件を解決してきた香月史郎【こうげつしろう】は、心に傷を負った女性、城塚翡翠【じょうづかひすい】と出逢う。
彼女は霊媒であり、死者の言葉を伝えることができる。しかし、そこに証拠能力はなく、香月は霊視と論理の力を組み合わせながら、事件に立ち向かわなくてはならない。
一方、巷では姿なき連続殺人鬼が人々を脅かしていた。一切の証拠を残さない殺人鬼を追い詰めることができるとすれば、それは翡翠の力のみ。
だが、殺人鬼の魔手は密かに彼女へと迫っていた――。
*
ミステリー作家は常に新しいことのチャレンジと思います。
その点、この本の作者は見事に成功していました。
ネタバレになるので、軽々しくはお話できませんが、ひとつだけ。
「すべてが伏線です」
ミステリーを読みなれている人にとって、物語の途中で「あ~、こうくるんだろうな」と思います。
けれども、途中で投げ出さずに最後まで読み進めてみてください。
最後には、心地よい、期待通りの大どんでん返しが待ち構えてくれています。
この大どんでん返しを味わいたくて、ミステリーを読んでいるといっても過言ではありませんね。
おすすめです。