読書は、そもそも何かを追経験したくてするものなのだと思うのですが、とにかくリラックスしたくてする読書も私には必要です。
心は動くのだけれども、かと言って日常生活に影響を与えるような揺さぶりが起こるわけでもない。
そういう読書は、はたから見たら時間つぶしに見えるかも知れませんが、瞑想と同じく心を平衡状態に保つために必要な作業です。
その目的ならマンガを読むのもいいのですが、最近のマンガはかなり力が入りすぎていて、下手をすると上下巻の長編小説よりも最終回が回ってきません。
マンガは、四コマ漫画がちょうど良いです。どこで切り上げても区切りがありますから。
小説なら、やはり星新一です。
中学時代から何回読み返したかわかりません。
過去に遭遇していても、私の頭は星新一作品のひとつひとつを覚える容量がないらしく、だいたいが途中までの印象が残っているだけです。
「この作品の結末ってどんなだっけ?」
毎回同じつぶやきを繰り返しています。
「あ~、そうだった。」
落としどころが星新一流なんだよなあと一人で納得して、次の作品のページをめくるのです。
今気づいたのですが、まるで確認作業をしているようですね。
星新一の起承転結を、心に刷り込んでいるみたいです。
そういう時は、私の顔つきと口ぶりは、きっとエヌ氏になっているはずです。