糖尿病の方は、外来受診の際、血糖値はもちろんですが、ほとんどの方が月に1回 HbA1c(ヘモグロビン・エー・ワン・シーと読みます)を測定します。
HbA1cは糖化ヘモグロビンとも言われ、基準値が4.6%~6.2%。
測定する目的は、血糖コントロールの評価です。
ヘモグロビン(Hb)とは赤血球中のたんぱく質の一種で、ブドウ糖が結合するとHbA1cとなります。
赤血球が血中を循環している間にブドウ糖濃度(血糖値)が高いままでいるとHbA1cの生成量が増えていきます。
ですから、長期の血糖コントロールを表す指標として有用なのです。
HbA1cの値には,直前の1カ月間の血糖値が50%,その前の1カ月間の血糖値が25%,さらに前の2カ月間の血糖値が25%寄与するといわれています。
ですから、外来の日が近づいてきて、その2、3日だけ一所懸命になったとしても、HbA1cはあまり影響を受けません。
患者さんには、「台風に例えると…」と説明しています。(例によって凝りすぎているので、かえって“わかりにくい”喩えです。笑)
「血糖値は台風の瞬間風速と一緒。食事をするとあがるし、運動すると下がる。薬を飲んで下がる。その瞬間、瞬間で変動していくのが血糖値。
病気の勢いはHbA1cが指標。台風でいうと気圧と一緒。hPaであらわされるもの。気圧が950hPaなら大きいなってわかる。HbA1cも8を超えるようなら、コントロールが悪いなあっていうことがわかる。」
外来日の1日よりも、次の外来までの1か月間、日常で過ごす時間の方が圧倒的に多いわけですから、HbA1cは糖尿病コントロールを評価するにはおあつらえ向きの指標です。