ストレス・コーピングは種類が多い方が良い、たくさん持っていた方がいいというお話を前にしました。
コーピングとは「ストレスに対して行う意図的な対処」のことを言います。
この「意図的」であることがとても大切なのだということを教えていただきました。
コーピングには大きく2つに分類されます。
「問題解決系コーピング」と「癒し系コーピング」です。
問題解決系とは、その名の通り、問題解決のためにいろいろと方策をとり実行するということです。状況を変えるために他者の意見を聞き、味方を見つけ、行動を起こすこと。積極的なアプローチで問題を解決に導こうとするものです。
但し、ストレスとなっている多くの場合、簡単に状況を変えられるようなものではないことが多いですね。
(状況が変えられるのなら、とっくの昔にやっているよ)とぼやきが聞こえてきそうですね。
対して、癒し系コーピングとは、気晴らし、気分転換、趣味に打ち込むなどの、まさしく「癒し系」。自分に対するご褒美になるようなものが多いですね。
問題解決系と癒し系をうまく柔軟に使い分けていくことができれば、ストレスと上手に向き合うことができるようになるかも知れません。
種類を多く、たくさん持っていた方がいいというのは、癒し系コーピングの場合、それが自分にとってのご褒美だからです。
ご褒美は段々と要求がエスカレートしていくものです。ひとつだけのコーピングだと、その要求に応じられなくなってしまいます。
「お風呂のあとの1杯のビール」がコーピングだとすると、癒しの効果を求めるために最初は1杯でよかったものが、2杯、3杯、4杯…とエスカレートしてしまいます。
ですから、この場合、「ビール」以外のコーピングを前もって準備しておく必要があります。