「変わらなきゃ」という言葉が流行ったのは1995年のことらしいです。
当時オリックスにいたイチローがCMで使ったものでした。
YouTubeに当時のCMがありましたので、載せておきますね。
あれから、もうすぐ25年になります。
「変わる」ことが大切なのだということが、世の中に浸透してきたのだと思います。
その一方で、人というのがつくづく難しいと思うのは、「変わりたいけど、変われない」とおっしゃる方が多くなっていることです。
私にとって身近な例では、生活習慣病で通院している患者さん。
「今までの生活を変えなければならない」とわかっているし、「変えたい」とも思っているのだけれど、実際は変わらない。
禅の言葉に、次のようなものがあります。
「窮すれば変ず 変ずれば通ず」
人が変わるということは、その人の考え方や発想の仕方が変わるということです。
考え方が以前と一緒なら、それに導かれる行動も一緒でしょうし、変わるわけがありません。
「窮すれば変ず」というのは、考え方が変わるほどの「窮する」何かを経験したということです。
窮してしまって、そのままでは進めず、どうしようもなくなって、途方にくれた時に、初めて「変ず」ることができるのだと思います。
ですから、医者は(決して本意ではありませんが)「このままでは大病を患う」ということを、脅しのような口調で言ってしまいます。
今が「窮状」であることを何とかして伝えたいと思ってのことです。
けれども、このやり方で通じたためしがありません。
自分で気づいてもらうしかありません。