松原泰道禅師の言葉を紹介します。
「三無の杖言葉で老いに備える」というものです。
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(略)三無の杖言葉というのは、「無理をしない・無駄をしない・無精をしない」というものです。
「無理をしない」は、自分の年齢を考えて無理をしないという健康上の意味だけではありません。無理とは、〈道理に合わないこと〉で、道理に合わないことをいったり、しないという自省の杖言葉です。
「無駄をしない」は、〈余計なことをしない・出しゃばらない〉ことです。さらに老人は生産的な仕事や行為から遠ざかっていますから、この事実をカバーする意味で、無駄な消費をつつしみ、積極的に物事を大切にする徳を積む習慣を学ぶことです。
「無精をしない」は、ものぐさにならない、だけではありません。進んで自分のできること、自分ですべきことをしていくということです。老人は常に自分の役割を果たそうという誓願が、「無精をしない」という杖言葉です。
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禅師の言葉はわかりやすく、深く共感できるものです。
どの杖言葉もそうですが、特に「無精をしない」という言葉は、老人だけに向けられたものではなく、若い人にも当てはまる言葉ですね。
私も見習いたい言葉です。