生まれつき好奇心の強い方はいますが、なんでも好奇心というのは訓練して身につけた方が良いものなんだそうです。
好奇心というのは「◯◯心」という「心」ですから、心の筋力を鍛えるようにです。
生活習慣病や糖尿病などを診療する外来でも、好奇心があるのとないのとでは大きく違ってきます。
例えば、「この1ヶ月どんな生活を送ったのか」ということを患者さんと振り返ってみることとします。
多くはその人自身も意識していなくて、意外とわからないものです。
それは正しい答えなどあるはずがありません。けれども、医者が「どんな生活を送っていたのか」という問いを発すると、患者さんは途端に緊張してしまいます。
「まずいことをしていたかしら?」
そういう不安が、医者と患者さんとの間に壁をつくってしまいます。
けれども、医者が「好奇心で訊いてみたいのですが…」という前置きをするだけで、その場の雰囲気がガラッと変わってきます。
患者さんが、まず気楽になります。自分なりの答えを探そうとして、多くの仮説を並べてくれます。
実は、その仮説のひとつひとつが全て正しいのです。
そこから、新しいアプローチが生まれてきます。
「私は好奇心いっぱいです」と宣言してみてはいかがでしょう。
毎日が少し違ったものになるかも知れません。