「の」の字の哲学

 

「の」の字の哲学というものがあるということを、初めて知りました。

渡辺和子さんの著書「幸せはあなたの心が決める」の「人間関係の秘訣」の章にあったものです。

 

こんな紹介でした。

「たとえば、夫が会社から戻ってきて、『ああ今日は疲れた』と言った時に、知らん顔して、その言葉を聞き流したり、『私だって、一日結構忙しかったのよ』と自己主張したのでは、二人の間はうまくゆきません。

 その時に、『ああそう、疲れた』と、相手の気持ちをそのまま受け入れてあげることがたいせつなのです。」

 

私も、それと似たような経験を聞いたことがあります。

悩みを相談されたと思って、自分なりに知恵を絞って解決策を披露したら、「そんなことを聞きたいんじゃない!」と不機嫌な顔をされたとか。

その反対に、外来で、かなり重くつらい経験をされた患者さんに対して、かける言葉も思いつかなくて、ただただうなずいて聞くことしかできなかった時に、「先生、話を聞いてくれてありがとう」と感謝されたり。

なんの糸口も提言できなかったのにもかかわらず。

 

温かい心で共感すること。

それが「の」の字の哲学なのですね。

 

 

 

 

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