「夢中」という言葉は不思議ですね。
国語辞典には
1)〔興奮したりして〕わけがわからなくなった状態。「―で逃げた。」
2)何かに熱中して、われを忘れること。「遊びに―だ。」
とあります。
感覚的にも、ものごとに意識が集中したあまり周りで起きていることにさえ気づかない状態を、「夢中」と呼んでいる気がします。
けれども、私たちが通常見る「夢」は、集中力と程遠い気がします。どちらかと言うと、はっきりしない印象です。
ただし、「無我夢中」という言葉があるように、「夢中」の行きつくところは「無我」の境地なのでしょう。
「無我」とは、「無私」や「没我」とも言います。
何かに夢中になることって、一種のトランス状態と同じ感覚なのでしょう。
ふと顔をあげると、いつの間にか時間が過ぎてしまっていて夜も更けていたということは、時々経験することです。
「夢中」の「夢」は、この「トランス状態」のことを言っているのかも知れませんね。
夢中になれるものがあるって、素晴らしいことです。
ひとつでも、夢中になれるものを見つけたいものです。