コント

 

診察室では、時々コントのような面白いことが起こります。

今日、今まであまり病院に縁がなかったという男性が受診してきました。

私は男性から一通りの症状を聞いた後に、身体所見をとるために聴診器を手に取りました。

「(服を)上げてください。」

男性は少しためらった後に、(ああ、そうか)と合点がいった感じでいきなり両手をあげました。

「え?」

私の反応に男性の方もびっくりしました。

「え?」

両手をあげた男性と聴診器を耳にあてて前かがみになりかけた私の目が合わさりました。

少しの間があったでしょうか。

「『両手をあげろ!』じゃないですよ」と大笑いの私。

「なにしろ初めてなもので」

「じゃあ『金を出せ!』って言ったら?(笑)」

「いやいや、それは…(笑)」

「医者が脅迫してきたと思ってびっくりしました?」

男性はようやく自分のした動作が滑稽だったことに気づいたようでした。

「そうですね。初めての人にはわかりにくかったかも知れませんね。聴診するので服をあげてくださいという意味だったんですよ。」

「そうでしたか。あはは。」

 

こんなコント、ドリフがやっていたんじゃないかなぁと思って、しばらくニヤニヤしていました。

 

 

 

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