本番の日がちょうど私の東京出張と重なっていて、観劇することができないのが残念でした。
けれども、やはりどうしてもあきらめきれないので、昨日無理を言って彼らの「通し稽古」を見学させてもらいました。
一言でいうと、素晴らしかったです!
彼らのオリジナル・ミュージカルとのことですが、びっくりしました。
まず、導入部。
それぞれのキャストの個性が明るく華やかに披露されます。
4つほどのグループがあり、表面上は幸福に見えて仲良く、苦労など知らぬ天真爛漫なテンションで舞台中を踊り駆け回り、明るい歌声が突き抜けていきます。
けれども、物語がすすむに連れて、キャストは深く語り始め、彼らの本心の声を聞くことになります。
そんなある日、彼らの住む町で、ひとつのイベントが告知されました。
「パフォーマンス・コンテスト」
優勝した団体には名誉とともに賞金が用意されています。
彼らは喜び勇んで参加表明したでしょうか? 否、そうではありませんでした。
それぞれのグループで、このコンテストに参加するかどうかで激しい口論がはじまります。
参加の有無の決定は、彼ら一人ひとりの意志や目的(なぜ、そのグループに帰属するのか)の再確認の作業でもありました。
それは、自分自身と世界との関わりの再確認の作業でもあったのです。
そのとき、それぞれの人生の過去、現在、将来に対する不安などが吐露されていき、時には深く傷つき諦める者、そこから立ち上がり歩き始めようとする者、すでに過去の自分から決別し前進することを信条としている者、それぞれが新たな人格へと脱皮していきます。
「人は人によりて人となる」
青春時代の、若い頃の希望も願いも、そして苦味も思い出させてくれるミュージカルでした。
素晴らしいミュージカルだと思います。
フライヤーでは、このミュージカルの楽しさ、面白さ、深さが伝わっていないのではないかと危惧しています。
快作です。
ぜひ御覧ください。おすすめです。