正気に戻る

 

「正気に戻る」や「我に返る」などという言葉があるのですから、「正気でない自分」や「我ならざる我」に翻弄されてしまう人間が存在するということですね。

少なくとも私がそうです。

「不妄語」の誓いを立てても、(多くは自分自身に対して)ウソをついてしまうことがあります。しかも、思わずついてしまうウソは、本人がそれがウソだと気づいていない場合も多いのです。

 

例えば、早起きしようと計画を立てたとき。

朝早くにセットしたアラームが鳴り響きます。

その音を消しながら、今日はいいんじゃないかと思います。

何がいいのかというと、早起きしなくてもいいんじゃないかと思い始めているのです。

ふと耳をすませば、外で雨が落ちる音がしています。

(最近、疲れ気味だから、この雨音でも聞きながらギリギリまでゆっくり寝ていよう)

まず「最近疲れ気味」というのは、今ひらめいた思いつきです。「疲れている」と自覚したことなど一度もありません(笑)。

雨音も私の早起きとまったく関係ありません。けれども、それを言い訳にして最大限に利用しようとしています。

今回は、その言い訳だけで「私」を操作するのに十分でしたが、それで足りなければ自分でもびっくりするぐらいの言い訳が次から次へと湧いて出てくるはずです。

 

早起きができずに、普通に起きたあと。

「正気に戻った」自分は、自分の不甲斐なさに呆れ果てることになります。

よくもまあ、瞬時に「早起きしない理由」を思いつくものだと呆然と(感心?)します。

思わずついてしまうウソほど、自分の弱さを象徴するものはないような気がします。

我に返ったとき、また落ち込むのです。

 

 

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