年末年始の開いたスキマ時間に、とても気になって一気に読んでしまった本がありました。
「算法少女」というのはWikipediaによると、安永4年(1775年)に出版された実在の和算書の本の名前だそうです。
算法を扱った書物でありながら、著者が女性であるという大変珍しい本です。
国会図書館所蔵の資料は近代デジタルライブラリーで閲覧することができます。→ こちら「算法少女」
と言っても、何が書いてあるのか皆目わかりません(^_^;)
私が読んだ本はもちろんこの古書ではなくて、児童文学作家の遠藤寛子さんが著した小説です。
本の紹介文を引用しますね。
父・千葉桃三から算法の手ほどきを受けていた町娘あきは、ある日、観音さまに奉納された算額に誤りを見つけ声をあげた…。
その出来事を聞き及んだ久留米藩主・有馬侯は、あきを姫君の算法指南役にしようとするが、騒動がもちあがる。
上方算法に対抗心を燃やす関流の実力者・藤田貞資が、あきと同じ年頃の、関流を学ぶ娘と競わせることを画策。はたしてその結果は…。
安永4(1775)年に刊行された和算書『算法少女』の成立をめぐる史実をていねいに拾いながら、豊かに色づけた少年少女むけ歴史小説の名作。江戸時代、いかに和算が庶民の間に広まっていたか、それを学ぶことがいかに歓びであったかを、いきいきと描き出す。
遠藤寛子さんはとても素敵な主人公を今の時代に蘇らせてくれたと思います。
学問に流派もなければ、ましてや国境もない。貧富や身分の差、性別の差もない。
生活に根ざしながらも、純粋な知的好奇心の追求に真心を尽くす江戸の人たち…。
お正月に読んだ本として、ベストチョイスの1冊だと思いました。
皆さんにもおすすめです。