テレビを点けること

 

普段はテレビを観ないです。

家にテレビがないから(だいぶ前に故障して、そのまま放置)ですが、ないならないで済んでしまうのがテレビですね。

ただし、最近気づいたのですが、私は出張でも観光でも、ホテルに着いたらまずテレビを点けて一息つくのが習慣です。

テレビを点けて、番組は選ばず、とにかく流しっぱなしにして、スーツを着替えたり、荷物をほどく作業にとりかかります。

あれってただの習慣なのかなと思っていたら、今年のほぼ日手帳の12月26日の「今日の一言」でこんな文章に出会って、はっとしました。

 

「吉本隆明さんに、訊いたことがある。

『どうして、いつもテレビを点けているんですか?』と。

『さみしいから、じゃないでしょうかねぇ』

ほんとうにほんとうの答えを、老いてからの吉本さんは、ぼくらの目の前に無造作に置くようなことを、よくした。」

 

この文章を読んで、私のしてきたこともそうかも知れないと思いました。

一度も行ったことのない場所、入ったことのない部屋。

意識しないまでも、警戒(?)しているのを少しでも日常に近づけるために、自分の慣れ親しんだ音だとか言葉だとかで溢れさせる。

(ここはいつもの空間と同じ)と思わせる。

とっても簡単にいえば、「さみしいから、テレビを点ける」

 

昔、祖母が24時間ずっとラジオを点けていたのを思い出しました。

中学生の私は好きなパーソナリティーや好きな音楽が聞けるからラジオを流しっぱなしにしているんだろうなと思っていたのですが、当時独居の祖母は、さみしかったのかも知れません。

 

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