ずっと前に、慶佐次湾のヒルギ林の遊歩道をガイドの方に案内してもらったことがあります。
慶佐次湾のヒルギ林(マングローブ)は、国指定天然記念物として有名です。
ガイドの方の話がとても興味深かったので、今でも覚えているのが「マングローブの黄色い葉」の話です。
(だいぶ前の話なので、もしかしたら学術的に新たに判明したこともあったりして微妙に違っているかも知れません。)
マングローブが生育している場所は、ほとんど海水に近い河口付近です。
塩分濃度が高いうえに、土壌はドロになっているので通気性が悪く、植物が生きていくには過酷な環境です。
塩に対する耐性を持つために、いくつかのメカニズムが備わっているのだそうです。
そのうちのひとつが、水分とともに吸収してしまった塩分を幾枚かの葉に集積させて、老化葉を脱落させること。そうすることで塩を外に排出させます。
塩分が集積した葉は、その葉だけ枯れて黄色になっています。
そして、他の葉が青々と繁っているのは、この葉のおかげとも言えます。
私は、この葉のようなことが人の体にも起こりうると思うのです。
例えば、風邪をひくこと。
風邪をひくことが、日常生活の偏りを知らしめてくれることがあります。
疲労や偏り、弛みなどを省みることは、大切なことです。
つまり、安全弁のはたらきです。
マングローブの黄色い葉が、生きていくための安全弁であるように、全体のバランスをとるために修正の機会を与えてくれているのだと考えます。
「風邪をひいてしまった。最近、睡眠不足だったからな。ちょっと休もう。」
気軽に休めない方が多いのは承知していますが、休む勇気もお持ちください。
(写真を掲載したかったのですが、手持ちのファイルにはありませんでした。いつか撮影したら、あらためて掲載しようと思います。)