道元禅師が宋に渡って悟りを開き、帰国したときに語った言葉だそうです。
「眼横鼻直」
眼は横に並んでいて、鼻は縦に並んでいる。
当たり前のことです。あまりにも当たり前のことを当たり前として受け止めています。
けれども、人は得てして「当たり前」を素通りして、特別な経験を求めがちなものです。
自分自身についてさえも、あるいは色眼鏡で見ているのかも知れません。
あるがまま、そのままを受け容れることは、難しいものです。
「宋で何を学んできた?」と問われて
「眼は横に並び、鼻は縦についているということです。」
そう答えた道元禅師に、常人には測ることのない凄みを感じます。