渡辺和子さんは、その著書「愛をこめて生きる」の中で、インドの詩人タゴールの詩を紹介してくれました。
「死ぬ瞬間 死とその過程について」(E.キューブラー・ロス著)にもタゴールの詩が掲載されていたのを、このブログでも以前に紹介させていただきました。こちら→「タゴールの『祈り』」
人生とは、自ら求めたのではない境遇、立場、仕事、老いも、病も、死さえも、不本意ながら受け容れざるを得ないことがあります。
それをあたたかく受け容れ、ひたすら耐える力を求め祈ることこそが、人間のなすべきことと言えると、渡辺和子さんはおっしゃっています。
タゴールの詩です。
(以前に紹介した詩と訳は違えど元は同じ詩のような気がします。)
私が願うのは
危険から護られることではなく
危険のさなかで
恐れないことです
哀しみのどん底
心のはげしい痛みの中で
慰めてもらうことではなく
哀しみを克服し
勝利をうたうことなのです
逃げ場がなくなった時も
勇気を失わせないでください
世間的にも大失敗し
挫折の連続に遭っている時も
その害が取り返しのつかないものだと
考えない恵みをいただきたいのです
あなたが来て私を救ってくださる ―
これを私は願っていません
私が願うのは
のりこえてゆく力です
あなたは私の荷を軽くしたり
慰めてくださらないで結構です
ただ 私が重荷を担う
その力をお与えください
喜びの日に
謙虚に頭を垂れ
私はあなたを思い
あなたの存在を認めます
暗い悲しい夜
失意以外、何もない夜にも
ああ 決してあなたを
疑うことがありませんように