やなせたかしさんの名作です。
子どもを失った母犬ムクムクと、母を失ったライオンの赤ちゃんブルブルの絆を描いた作品です。
やなせたかしさんの仕事を紹介する本に、こんなことが書いてありました。
日本を代表するロングセラー絵本の一つ『やさしいライオン』は、二つの実話をきっかけに生まれた。
一つは、「外国の動物園に、犬に育てられたライオンがいる」という新聞記事だ。いつ読んだか記憶にないほど昔の記事なのに、やなせさんは妙に忘れられなかったという。
もう一つは、「サーカスから逃げ出したライオンが射殺された」という新聞記事である。サーカスのライオンは野生ではないので、本当はやさしい。でも、街に飛び出したら、文句なしに撃たれてしまう。
この「やさしいライオン」ブルブルは、その優しさ故にムクムクのために命を落とします。
子どものための絵本なのですが、大人の私たちの心にもずっしりとくるお話です。