こころの時代アンコール シリーズ 禅僧ティク・ナット・ハン

 

土曜日の昼。7月1日のことでした。

外来診療と透析室の回診を終えて、スタッフルームで遅い昼食を摂っていると、BGM代わりに流していたテレビの画面に釘付けになってしまいました。

 

 

そこに流れていたのは「こころの時代 禅僧ティク・ナット・ハン」のシリーズ2回のうちの1回目のアンコール放送でした。

2015年4月に1回目の放送があって、今回で実に3度めの再放送とのことです。それだけ視聴者の心をとらえたということなのでしょう。

 

 

この放送を見るまで、実は私はティク・ナット・ハン師のことをほとんど知らなかったのです。

ふと思い出して、放送を見終わった後に(もしかして…)と院長室の本棚を探してみたら、何冊かティク・ナット・ハン師の著書が出てきたので、それには苦笑いするしかありませんでした。

ティク・ナット・ハン師が何者であるかを知らずに、その著書だけは読んでいたのです。

 

 

ティク・ナット・ハン師の紹介は、プラムヴィレッジ・サンガ・ジャパン・ネットワークのホームページに詳しく載っていますので、そちらをご覧ください。

こちら → 「ティク・ナット・ハンについて」

 

 

ガンジーやキング牧師、マザー・テレサを彷彿とさせる現代の偉人であることがわかりました。

西洋にマインドフルネスを紹介した人でもあったのですね。

 

 

第1回の「怒りの炎を抱きしめる」は、ベトナム戦争に巻き込まれ翻弄されるティク・ナット・ハン師の半生を振り返りながら、師の教えと実践を追いかけたドキュメンタリーです。

番組の冒頭では、法話会か何かのQ&Aの時間なのでしょうか、小さな女の子がティク・ナット・ハン師に質問をする場面から始まります。

 

女の子:お兄さんや妹に腹が立ったとき、どうしたらいいですか? 

ティク・ナット・ハン:腹が立ったときは何も言ってはいけません。何もしないほうがいいです。

自分に戻って、ゆっくり息を吸って、息を吐きます。それを何回かして、何か行動を起こす前に、怒りの面倒をみてあげます。これは平和の行動になります。

すぐに反応したりしないんです。自分の怒りの面倒の見方を知っていれば、ゆっくり呼吸しながら「今のはカチンときた。でも別に反応して行動する必要はない」とわかりますし、

「この人は今、幸福でないから、あんなことをしたのだ」と思えますから、その人に対して思いやりを持ち微笑みます。これは大きな勝利です。

 

そして、こうナレーションが続きました。

「ティク・ナット・ハンの原点、それは祖国を焼き尽くしたベトナム戦争でした。怒りと憎しみが渦巻く中、ティク・ナット・ハンは、自らの怒りを見つめることで、敵味方の区別なく、ありのままを慈しむ境地に至ります。そして仏教の力により世界を変えることができると立ち上がります。」

 

当時を想像するに、凄まじいとしか表現のしようがない実践です。

こんな人が、世の中にまだいたのかと、愕然としてしまいました。

 

ティク・ナット・ハン師のことを、もっと学んでみたいと思いました。

 

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