100分de名著「維摩経」

 

今月の「100分de名著」は「維摩経」だったのですね。

学会のついでに寄った本屋さんのNHKテキストのコーナーで、「維摩経」の文字を見つけて、ちょっとエキサイトしてしまいました。

 100分de名著 維摩経 釈徹宗著

 

担当は、もちろん釈徹宗さんです。

「もちろん」としたのは、釈さんは過去に「維摩経」の“超訳”を出版なさっている方だからです。

10年ほど前に「とらわれない」(文庫版では「なりきる すてる ととのえる」と改題)という本を出版されていて、それがとても面白くてあっという間に読んでしまいました。

(最近では、その本はKindle版でも読むことができます。)

 
 なりきる すてる ととのえる 釈徹宗著

 

「とらわれない」の内容紹介から説明文を引用します。

 

毘耶離(びやり)の町に住む、維摩(ゆいま)という名の長者が、ある時病気になった。

ブッダが弟子たちに見舞いに行くように言うのだが、これまで、ことあるごとに自分たちの「思い込み」を維摩に打ち砕かれてきたため、弟子たちは誰一人として行きたがらない。

最後にやっと文殊菩薩が見舞いを引き受け、維摩と対話を繰り広げる。

世俗社会の中を生きながら、それに執着しない在家仏教者こそ理想の在り方であること。

二項対立構造を点検し、これを解体-再構築する「空」の実践を説き、日本仏教に多大な影響を与えた、初期大乗仏教経典の傑作『維摩経』。

 

 

有名な「煩悩即菩提」という言葉が、この経典を由来にしているのだということを知ったときには、一気に親しみが湧いてきたものでした。

と同時に、釈さんも言っていますが「まるで痛快活劇」「なんて嫌味なじいさんなのだろう」と思うぐらい維摩は釈迦の高弟たちや菩薩たちをやりこめていってしまいます。

それは、まるでよくできた戯曲を読んでいるかのようです。

 

「100分de名著」が「維摩経」を取り上げるのも、不思議ではないのかも知れませんね。

いつか番組も見てみたいです。

 

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